ロボット掃除機を開発中!ジェームズ・ダイソンのインタビューまとめ

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ジェームズ・ダイソンインタビュー

インフォバーンのCEOである小林弘人氏がダイソン創業者のジェームズ・ダイソン氏にインタビューを行い、その内容がWIREDに掲載されていたのでまとめておきます。

ダイソンの模造品について

ダイソン製品の技術を完全にコピーできる会社は日本や中国にある。
しかし模造品とダイソンの製品は明らかに違うものだ。

模造品を作ることは研究開発費や製造リスクが少なく済むので不当競争である。
各国の政府はこれらに何らかの対策をするべき。

私は特許の範囲を広げることが問題の解決策になると考えている。
模造品が当たり前に出まわってしまうと、もうだれも多額の開発費や製造リスクを背負って新しいものを産み出そうというチャレンジをしなくなってしまう。

日本の製品と特許について

日本のメーカーが製造販売しているサイクロン掃除機と当社の掃除機ではサイクロンの分離効率が明らかに違うので、時間が経つにつれて吸引力が低下する。

しかし、日本のメーカーは当社製品と同じように吸引力が維持できると主張している。
これに対して経済産業省に苦情を申し入れたが、いまだに進展がない。

中国と特許について

中国に当社の技術を特許申請しても、5年ものあいだ特許審査されず、放置されたままだった。

それに対して中国のメーカーが特許申請をすると15000ドルを企業に渡した上で、さらに9ヶ月で特許審査が完了する。
つまり、当社が先に特許を申請しても、中国のメーカーがそれを真似して後から特許申請し、先に審査に通ってしまうことが起こる。

この件に対して中国メーカーに起こした訴訟が、ファン(送風機)だけで12案件もある。

デザインについて

見栄えだけの工業デザインはもういらない。
工業デザインは独立した職業ではなく、エンジニアが工業デザインを学ぶべき時代。
ダイソンではデザインはエンジニアリングの一部として開発しているので、専門のデザイナーがいない。

また、一般のエンジニアは技術のことばかり考えてしまう傾向にあるが、デザインを学んだエンジニアは製品がどう使われ、誰に使われるかを考えられるようになる。
そのような人材がこれからもっと必要になる。

ダイソンの成功について

小さな成功をつかむためには、マーケティングに費用を投じるのが手っ取り早い。
なぜなら、マーケティングによって売上を伸ばすことができるから。

しかし、長期的な成功を得るためには、研究開発に資金を投じ、技術や製品の開発リスクを追う必要がある。
しかし、特に株式を公開している上場企業の場合、投資家はそこまで待ってくれず、短期間での成功を求められる。

その点、ダイソンの株主はわたし一人なので恵まれている。
他人の評価を気にすることなく、いくらでも研究開発に資金を投じて待つことができる。

当社はロボット技術の開発を12年間おこなっている。
もし開発に成功すれば、ゴミを見事に拾うことができるロボットが完成するはず。

どうすればダイソンのようになれるのか?

私はずっと、インスピレーションの源として、ソニーとホンダを手本にしてきた。
本田宗一郎氏や盛田昭夫氏の本を読み、素晴らしいと思った。

ふたりとも、エンジニアリング、研究開発、継続的な開発努力の重要性を理解していた。

競合他社について

競合他社は常に意識しているが、他社のことは気にせず、自分のしたいことをするようにしている。

わたしはエンジニアとして、イノベーション、変革を目指している。
他社よりも優位に立つことが目的ではなく、したいことをしているだけ。

ファン(エアマルチプライアー)事業においては、競合他社はいなかった。
ただ、よりよいファンを作りたかった。それが羽根のない扇風機を開発した動機。

わたしは商売人ではなく、技術屋である。
事業で儲けようとか、商売上手になろうと思っていない。製品の事だけを考えている。
馬鹿げているかもしれないが、わたしはそれを楽しんでいる。

今回のニュースはこちらの記事を参考にしました。

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