吸引力はなぜ落ちない?ダイソン社のサイクロンテクノロジー

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サイクロンテクノロジー

ダイソンが新開発したRoot Cyclone™(ルートサイクロン)テクノロジーについて紹介します。

ダイソンのサイクロンテクノロジーは20年以上前に開発され、これまでに何度も改良を加えられてきました。そしてその間に取得した特許は564件にも上るそうです。

なぜダイソンの掃除機だけが吸引力が落ちないのか気になりませんか?

他社製品と比較してみる

まず最初に、従来の紙パック式や、他社のサイクロン掃除機の吸引力がなぜ低下してしまうのかを見てみます。

紙パック式掃除機

紙パック式の掃除機は、吸い込んだ空気をパックの表面の隙間から逃しています。
なので、掃除機を使い続け、パックの内部にゴミが溜まってくると、吸い込んだゴミやホコリが掃除機内の空気の流れを邪魔して、徐々に吸引力が低下します。

私達が風邪をひいて鼻が詰まると、空気を吸い込むのがつらくなる(吸引力が低下する)のと同じ原理ですね。

他社のサイクロン式掃除機

サイクロン型の掃除機は、サイクロン技術で大きなゴミを取り除くことはできても、小さなゴミまで処理することができず、後段にあるフィルターで微細なゴミをこし取っています。

なので、紙パック式と比較すると吸引力の低下は少ないですが、掃除機を使い続けると徐々にフィルターが目詰まりをおこし、吸引力が低下してくるのです。

実はこれはダイソンの掃除機にも言えることです。
詳しくは、「吸引力が変わらない」というのは嘘?のページをご覧ください。

ルートサイクロンテクノロジーの強み

ダイソンが特許を取得したルートサイクロンテクノロジーでは、上記の問題を解決することに成功しました。

サイクロン機構のパワーを効率化し、強くすることで、フィルターに頼らずほぼすべてのゴミをサイクロン内部で処理することができるからです。(内部では150,000Gもの強力な遠心力が発生するそうです)

ルートサイクロンでは、0.5ミクロンという超微粒子も空気から分離し、1回転で200もの超微粒子を処理できるんだそうです。

吸い込んだゴミのほぼすべてをサイクロン内部で処理するので、フィルターへの負荷が小さく、フィルターの掃除はおよそ2年に1回でOKです。

ルートサイクロンの仕組み

①外側のサイクロン
まず最初に掃除機から吸い込んだゴミを、500G程度の小さな遠心力で分離します。

②網目状シュラウド
綿ボコリやペットの毛のような大きいゴミは、空気とともに網目状シュラウドを通って分離され、クリアビンに集められます。

③内側のサイクロン
①、②の工程で取り除けなかった小さなゴミを、内側のサイクロンで除去します。
ここでも取りきれなかったものを、強力なルートサイクロン機構に送り込むのです。

④ルートサイクロン
最後に搭載されているのは最大150,000Gもの遠心力でゴミやホコリを分離するルートサイクロンです。カビやバクテリアなどの微細なゴミを取り除くことができます。
この何重にも分けられたサイクロン機構から、ダイソンの製品は「デュアルサイクロン」と呼ばれているのだと思います。

⑤きれいな排気
カビやバクテリア、アレルゲンも取り除き、最終的に掃除機から排気される空気は、室内の空気より綺麗なんだそうです。

新開発:ラジアルルートサイクロン

これまで同社の製品では『ルートサイクロンテクノロジー』が使われてきました。

しかし、DC36に搭載されたラジアルルートサイクロンでは、空気の流れが再設計されました。
サイクロン機構での気流の効率がよくなるように改良され、無駄なエネルギーをなくし、適切な空気圧を確保することができるようになりました。
これによって、これまでサイクロン機構では捕らえきれなかった微細なゴミも確保できるようになったのです。

ラジアルルートサイクロンテクノロジーでは、これまで最大150,000Gだった遠心力を最大293,000Gまで強化し、より多くの微細なゴミ・ホコリをフィルターに頼らず除去できるようになりました。

これにより、0.5ミクロンもの微細なゴミも空気から99.8%分離することができるようになりました。
ちなみに、0.5ミクロンとはアレルギーの原因となるカビ胞子の1/10程度のサイズだそうです。

DC26と、ラジアルルートサイクロンを搭載したDC36は、「英国アレルギー協会」「スイスアレルギー協会」からも認定を受け、花粉、ダニ、ペットの抜け毛といったアレルゲンを除去できる「アレルギー対策に適した掃除機」として販売されています。

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